英米留学物語

イギリスでホームステイなのに家出??大事件勃発!?

私がイギリスに留学した時、最初に入ったのがサマースクールでした。

このサマースクールは、入学のタイミングが決まっているようなものではなく、各国から日々新しい生徒がやってきて、日々自国に帰っていくというものでした。サマースクールの終わりが近づくと、当然ながら大勢で賑わっていた校内ががらんと寂しくなります。

あのハリッポッターの映画に出てくるような、生徒が大勢食事をとっているような、大きな昔ながらの建物に、ポツンと取り残される。。みたいな感じです。なんとも言えない寂しさを思い出します。

私がなぜ最後まで残っていたかと言うと、サマースクールだけでなく、本学期も通う予定だったからになります。当然学期が始まるまでの間は寮が閉まってしまう関係上、私はホームステイ先を紹介され、1週間そこに寝泊まりすることになりました。

私がお世話になったのは、イギリス人の旦那さん、スペイン人の奥さんの2人が住むお家。恐らく50歳台のご夫婦だったと思います。

お父さんは仕事に出るので、家に残るのはスペイン人のお母さんです。

このお母さんがこれまた物凄く喋る方で、一度話し出したら止まらない方でした。凄く親切な方だったんです。ただ当時16歳の私はまだまだ若く、一人の時間が欲しい気持ちが勝り部屋にこもりがちになってしまいます。

そんな時に事件が起こります。

ここのお母さん、実はベビーシッターをやっていました。

私はお母さんに、天気が良いのだから、部屋で読書するのではなく、庭で読書したら?と声をかけられます。

言われるがままに庭に出るのですが、庭にはなんと蜂がブンブン飛んでいます。

これは危険だと与えられた個室に戻ろうとすると、お母さんが、入らないで!!と叫びます。

何かと思ったら、部屋の中に赤ちゃんが寝ている状況だったのです。

私は凄く一人静かに過ごしたかったのですが、結果居場所までなくなってしまった訳でした。

この状況に、当時の私は我慢できなくなり、そのまま家を飛び出してしまいます。

イギリスのどこにいるのかも良くわかっていない私・・・。

ただそんなことは関係ありませんでした。

異国の地でひたすら田舎道を歩きました。

どれくらい歩いたのかも記憶にありません。

向かう場所もなく、ひたすら歩いていると、そこに偶然にも電話ボックスが・・。

引き寄せられるがままに、電話ボックスに入り、コレクトコールで日本の実家に電話をしたのでした。

今考えても、よく日本に電話できたなと、我ながら感心してしまいます。。

ここでかけたコレクトコールから、大勢を巻き込む事件が勃発するのです。。

偶然見つけた電話ボックス。

当時は携帯というものがありませんでしたので、連絡などは簡単には取ることができません。

電話ボックスを見かけたことは本当に偶然でした。

ここで日本の実家にかけたコレクトコールから、大勢を巻き込む出来事が勃発します。

コレクトコールと言っても、当時は固定電話から固定電話にかけたので、留守であれば繋がらないのですが、これもラッキーなことに問題なく親に繋がります。

私はコレクトコールで、親に現在の状況を伝えたのでした。

親に何を言われたのかは、今となっては思い出せません。

しかし、近くにあったベンチに腰掛け、非常に天気の良い青空を眺めていたのは覚えています。

どれくらい時間がたったのかもわかりませんが、遠くから私の名前を呼ぶ声が聞こえてきます。

その声はなんと、学校の校長先生だったのです。

親へ電話をした後、親がイギリスの学校へ直ぐに連絡を入れたらしく、学校の先生総出で私を町中探し回ったそうなのです。

今考えると、本当に申し訳なかった気持ちでいっぱいなのですが、当時は目の前の事でいっぱいいっぱいだったのだと思います。

結局先生方に、ホストファミリーの家に連れて行かれ、明日別のホストファミリーに変えるから、今日まではもう一日泊まって、明日迎えにくるからと言われたのです。

翌日荷物をまとめていざ新しいホストファミリーのお家へ向かう時、お世話になったホストファミリーの奥さんには、大泣きされてしまった記憶があります。。

本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。。

さて、新しいホストファミリーのお家へ到着しました。

新しいホストファミリーは30代前後の赤ちゃんがいる若いご夫婦でした。

今回は個室が与えられ、家の鍵も渡され、部屋にはファミコン(マリオのゲーム付)がありました。

数日間でしたが、気を使うこともなく、自由に過ごさせていただき、本当に感謝の数日間を過ごした記憶があります。

今言えることは、周りが見えていなかった私自身に対し優しく当時関わってくださった方々皆さんに、本当に感謝をしている。。と言うことです。

長い年月を挟み、あらためて未熟だった自分自身を思い返す中で、色々な方に迷惑をかけたな、そしてそんな自分自身に優しく接してくれた先生たち、ホストファミリーたちに、心から感謝の気持ちを想う、今の自分がいるのです。

この経験と感謝の気持ちは、現在、日々子供たちに接する自分の中で、貴重な財産となっている事は言うまでもありません。