-言志四録から紐解く-
親になると、子供が親の考え通りに動かない、前に進まない事を悩んだりします。他のお家の同級生はあんなにすごいのに、あんなにしっかりしてるのに、うちの子は・・みたいな悩みは良く聞くものです。
そんな時に、色々な捉え方があると思います。
言志録 第七条にこんな言葉が出てきます。
「立志の功は、恥を知るを以て要と為す。」
志を立てて成功するには、恥を書くことが肝心である。
人というものは、失敗を繰り返し成長していくものです。これは子供から大人まで同じです。この言葉は、西洋の諺「青春の失敗は、壮年の勝利。老年の成功より好ましい」というものにも置き換えられます。若い時は何度も失敗してもやり直しがきくし、その一つ一つが成功の糧となる、という事です。
私も幼少の頃、具体的には小学生の頃、様々なやってはいけない過ちを犯しました。それはそれは親に迷惑をかけ、学校にも迷惑をかけ、その他いろいろな方々にも迷惑をかけ、ひどいありさまです。
その都度私の親が迷惑をかけた方々に頭を下げ、謝罪を繰り返していた記憶が思い出されます。そしてそんな状態の私に対し、誰よりも厳しく叱り、愛情を捧げてくれていたのは、言うまでもなく親です。あの時の反省が私自身を成長させてくれたのは間違いありません。大人になって同じような事を行った場合、まず間違いなく警察に捕まるでしょう。
「立志の功は、恥を知るを以て要と為す。」
この視点を持った時、子供が学校でやってはいけない事をやったとしても、もちろんそれに対しては厳しく叱ります。しかしその事に嘆くのではなく、子供が学んでいるという事実に対し、プラスに捉えることができるのです。
勉強に置き換えても同じです。
先日フジテレビで放送されたアンビリーバボーの番組で、学生の時に非行に走った男性の話が紹介されていました。
親とはいつも喧嘩。不良になり、ヤンキーへ。でも親は見捨てませんでした。彼はあることがきっかけで、ヤンキーから大学進学を決意。成績を上げるために、人生を勉強に注ぎこみ、家族の信頼が支えとなり、米国でも非常にレベルが高い難関大学へ入学を果たします。この大学への編入試験で書いた内容は、自分がいかに恵まれてるか、それに気づいた事でした。
人というのは学ぶ必要がでてきた時に学ぶのだなと、あらためて思わされました。
人間にはそれぞれ、学ぶ必要がある「時期」というものがあります。これは勉強のみならず、人生の色々な出来事にも該当します。それがたとえ何であっても、苦難にぶつかった時、壁にぶつかった時、その時こそが、その人にとっての、学ぶ必要がある「時期」なのです。
何かがうまく行かないような時というのは、それは子供にとっても大人にとっても、成長できるチャンスであり、新たな学びを得ることができるチャンスであり、もしこれが、子供が小さい時に起こっているのであれば、その子は他の子たちよりも、早いタイミングで、成長のチャンスを迎えている、とプラスに考えれば良いのです。
そして、その気づきを与えてくれた出来事に対し感謝することで、自らがまた一段、成長の階段を上がっていくのです。