英米留学物語

ESLの授業で・・えっ?? 海外で気づく自らの見る景色の大変化

皆さんは、テクノロジーギャップというものを感じた事はありますか?

当時私は、日本という国は常にテクノロジーの面において、世界のトップを走っていると思っていました。時代はまだスマホが存在しない時代。ようやくガラケー、imodeがで始めた頃です。私は日本人として誇りを持っていました。技術力は世界一だと信じ生きていましたので。しかしながら、米国に留学した事で初めて、その考えが揺らぎだしたのです。

今から20年ちょっと前の日本というのは、現在皆さんが当たり前のように使っているコンピューターはまだ全然普及する前でした。学校に並んでいたのは、コンピューターではなく、ワープロ(この言葉も死語かもしれません・・)でした。懐かしいタイプライターからワープロに切り替わったような時代でした。

そのワープロというのは、ちょっと昔の箱型デスクトップコンピューターやノートタイプ(分厚い)みたいな見かけでした。印刷用紙も普通の紙ではなく、感熱紙が一般的に使われていたと思います。そんな中、私は初めての渡米時に、このワープロを新しく買って、アメリカに持って行ったのです。

今こんな話を聞くと、なんで?と思うかもしれませんが、これこそがインターネット自体、まだまだ普及していない時代の、ガラパゴス的な物事の認識と言いますか、海外に行って初めて知り、学ぶことだったのです。

ちなみに、当時は、日本人はみんなまだちょんまげをしていると、本気で思っていたアメリカ人とも会ったことがあります。また、私の世代からさらに20年前の世代で起こっていた日本の様子を、40年後アメリカの授業で、今の日本として紹介されるという、まったく持って信じられないことも起こります。これは別の記事で書くつもりです。

話はそれましたが、いざ初めてのESLの授業を経験していくと、当然授業で課題がでるわけです。みんなは大学内にある学生が使えるコンピューターを使って、課題を作成していました。当時の文書作成ソフトは、マイクロソフトのwordではなく、wordperfectというソフトでした。この時期は、ようやくマイクロソフトのwindows95が普及し始めていた頃になり、まだwindows3.1という、95より前のバージョンで動く文書作成ソフトが主流だったのです。

話を戻しますが、授業でいざ課題提出の際、そもそもの用紙の種類、そして用紙のサイズが異なる事に気づきます。先生から用紙の種類やサイズを指摘され、混乱したのを覚えています・・。普通紙と感熱紙、レターサイズとA4サイズ…。

そうなんです。一番最初の課題提出の際、感熱紙で提出したのです・・。しかもA4サイズで。

これだけでなく、最初は日本の学校で使っていた、B5サイズのルーズリーフをそのままアメリカに持っていき使っていたのですが、アメリカで一般的に売られているノートの規格は全然違うもので、結局買い替えました。

日本を出発する際は全く知らなかったことです…。いかに日本以外の事を知らなかったか・・です。

結果、アメリカでとうなったかと言いますと、ワープロはお蔵入りになり、その代わりに、その頃から爆発的ヒットとなる、コンピューターを購入する事になったのです。

しかし、ネット契約などもちろんありません。近くの電気店にコンピューターはまだまだ並んでいるような状況ではない時代です。どうやってコンピューターを購入し、どうやってセットアップし、どうやって・・と疑問が湧くかと思いますが、これはまた後日。

海外に一歩踏み出すと、それまで当たり前だと思っていた、自らの価値観が根底から覆されます。これを身をもって経験した、初めての事例になります。そして、見えてくる景色が変わるという事がまさに、とても重要な「学び」であったのはいうまでもありません。

人が成長する学びというのは、学校の各教科の勉強だけでない。士心塾の大事にしている事の一つなのです。