色々人生と学び

大人の学びシリーズ その5 「学問のすゝめ」から学ぶ、士心塾が目指す講師像

-“学問のすゝめ”から紐解く-

世の中には数えきれないほどの学習塾が存在します。士心塾がある東松山校周辺にも、いくつもの塾が存在しますし、成増校や川越校に至っては、学習塾のものすごい激戦区です。

これも多くのご家庭が、お子さんを学習塾に通わせたいという需要があるからに他ならないのですが、ではどのような基準で多くのご家庭は学習塾を選んでいるのでしょうか?

私が体験授業等で保護者からよく聞く言葉として、”子どもがどう感じるかを大事にしています”というものがあります。もちろんそこは大事な要素です。

また、結果が本当に出るのか?を見定めようとされる保護者もいらっしゃいますし、一方で、その塾の指導者や指導方針、講師たちに対してどのような教育をされているか、そこを重要視する保護者たちも多くいらっしゃいます。

皆さん、「学問のすゝめ」をご存知でしょうか?私が生まれるおよそ100年前の、1872年に初版が出版され、当時の日本の人口が3000万人程の時代に、実に全国民の10人に1人が買った計算になる本で、福澤諭吉の書として非常に有名です。人間の平等を宣言した「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといへり」という冒頭の一節は非常に有名ですね。この有名な書の中に、次のような文章があります。

  独立の気力なき者は必ず人に依頼し、人に依頼する者は必ず人を恐れる。人を恐れる者は必ず人に諛う。つねに人を恐れ諛う者は、次第にこれに慣れ、その面の火鉄の如くなりて、恥ずべき事を恥じず、論ずべき事を論ぜず、人さえ見ればただ腰を屈するのみ。(略)立てといわれれば立ち、舞えといわれれば舞い、その柔軟なること実に飼いたる痩せ犬の如し。

 

この意味するところを士心塾の考えに当てはめた時に、何を言いたいかと申しますと、私は士心塾の代表として、「ただ英語を教える、ただプログラミングを教える、お金稼ぎのバイトの一つ的な、機械のような、指示を受けてそれだけを繰り返す講師は求めていない」ということです。

私は講師たちに話をします。

“それぞれの先生方が受け持つクラスは、「あなた自身が一から立ち上げた学習塾の大切な子どもたち」の気持ちで、「子どもたち全員の成長を心の底から思う」気持ちで、「あなた自身が全力で子どもたちと向き合う」気持ちで、「あなた自身が子どもたちに絶対結果を出させてあげる」と言う気持ちを持って、指導にあたってもらいたい。”

世の中に数えきれないほどの学習塾があり、そこで働くさらにその2倍3倍4倍もの、すべての先生方が、このような意識を持って指導にあたっているか考えてみた時に、それはなかなか現実的なことではないと思っています。

しかし少なくとも士心塾では、指導にあたるすべての講師に、福澤諭吉が言うところの「独立自尊」のある講師に育ってもらいたいと思っています。そして士心塾が考える、本当にあるべき姿である、「すべての指導者が本気で子どもたちに真剣に向き合う塾」で、今後もあり続けたいと思っているのです。

そして私が保護者の立場で子どもの学習塾を選ぶ場合も、この点こそが、学習塾を選ぶ際の第一の判断要素に挙げているのです。