英米留学物語

心温まる車絡みの出来事 1 リッチモンド編

皆さまは車を運転していて、問題に遭遇したことはありますでしょうか?

車をぶつけられた。
車が街中で動かなくなり大渋滞で途方にくれた。
車が制御不能で塀に突っ込んだ。
車が大炎上した。
車をぶつけられて、逃走した人物とカーチェイスした。
車で10時間以上走った旅先の山の中で車が完全に動かなくなった。
車の窓を割られ、中のオディオがすべて盗まれた。

私はすべて経験があります。車に関わるエピソードは豊富です(^^;。ただ今日はそんな車のエピソードでも、結果心温まるエピソードを書きたいと思います。

あれはまだFreshman(1年生)の時だったと思います。一人で車で食料品の買い物に出かけた時のことでした。

私は買い物の帰りに、片側3車線の幹線道路で、一番左の車線側(日本と逆でアメリカは右側を走ります)で先頭で信号待ちをしていました。一番右の車線は右折レーンだったと思います。

信号が青に変わった時のことです。アクセルを踏んで前に進むはずが、前に進まないのです。後ろはどんどん車が渋滞していきます。エンジンも空回りする感じで、全く動きません。

さあ困りました。。道のど真ん中で車が故障してしまったのです。

実は後々わかったのですが、この時タイミングベルトが切れてしまったのでした。タイミングベルトとは、エンジン内部のクランクシャフトとカムシャフトを連結する位置にある、ゴム素材でできているベルト状の部品で、これが切れることで、エンジンに重大な損傷を与える場合もある、とても重要な部品です。これが切れてしまったので動くはずもありません。

ちなみに自慢ではありませんが、私はアメリカで車を運転していた際に、タイミングベルトが切れて、車が動かなくなってしまい困ったことが2度もあります(^^;。

さて、ここで起きた事は、アメリカ、リッチモンドの人たちの優しさを大きく感じた一幕だったのです。

車が壊れて動かないなんて初めての経験です。どうしたら良いかわからず、車も動かせず非常に焦っていると、後ろから一人、どうしたの?大丈夫か?と声をかけてくれた男性がいました。そうです。後ろの車の運転手が異変に気づき降りてきてくれたのです。

私も焦っていた中でも、ハザードランプはつけていたのだと思います。私が車がおかしいと言うことを伝えると、車を後ろから押すから、ハンドル切って右車線の路肩に止めようと言われました。

後ろはどんどん渋滞状態です。

さて、いざ押してもらましたが、一人では簡単に動きません。なぜか?実はこの車はなんと、重ステの車だったのです。重ステってご存知でしょうか?現代の車ではあり得ませんが、パワーステアリングが付いていない車。要はハンドルがめちゃくちゃ重たい車だったのです。40-50代くらいの方なら、昔の車を思い返したらなんとなくわかるかもしれません。とにかくハンドルが重いのです。ハンドルを切るには大きな力が必要だったのです。

” 【自動車死語の世界】「重ステ」って何?”

そんなこんなで困っていると、後ろから次から次へと、何人ものアメリカ人の方々が車から降りてきてくれたのです。ある人は後ろからやってくる右側の車線で交通整理をしてくれ、他の方たちが車を後ろから一緒に押してくれます。

実は私がアメリカに住んでいた間、こういった困った状況の時に、全く知らない方々に助けられた事は何度もあります。

車はあっという間に路肩に移動することができ、渋滞は解消、私はロードサービス(AAAと言うJAFのような会社)に電話し、修理工場まで引っ張っていってもらいました。本当に助けてくれた皆さんに感謝感謝です。

私一人ではどうしようもない状況で、すぐに助けてくれた人たちのことは今でも忘れません。